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創業102年で初めて製品化した   「こはぜ」の完成に至るまで。

更新日:2022年3月16日

『あおやまこはぜ』は他のこはぜと何が違うのでしょうか?

1)独自性

  足袋に付けられている一般的なこはぜの模様といえば、サイズを表す数字ですね。数字 

 以外であれば足袋やさんのロゴであり、そのほかは無地のこはぜとなっています。よって 

 まじまじと見る方も少ないでしょう。

  一度お手持ちのこはぜをご覧になってみてください。数字のこはぜは概ね凹凸の刻印と 

 なっていることと思います。つまり表と裏に数字や模様が刻まれています。


  弊社でも同じこはぜを製造していますが、『あおやまこはぜ』ならでは。。として

 【美しさ】と【細かさ】かつ【デザイン性】を兼ね備えたこはぜを提案しております。

 簡単にいうならば、模様は表面のみに刻まれるこはぜで、写真のような非常に細い線や、

 小さな文字までもはっきりと表現できるのです。

  凹凸の模様となると、上下二つの金型を合わせ圧力をかけて模様を出すため、太い線で 

 なければ文字がつぶれてしまいます。よって模様は限られてきます。

  単にそれだけ?と思われるかもしれませんが、0.3mmほどの薄さの金属、しかも真鍮と

 いう素材は柔らかく、圧力をかけて刻印すれば素材そのものがゆがみを生じ、次の工程に

 進めることはできず、廃棄処分となります。生き物のような薄い素材の表面にのみ模様を

 刻むというのは、まさに経験と独自の技術に拠るものなのです。

  他社では真似できないオリジナルのこはぜこそ『あおやまこはぜ』なのです。

 2)種類と豊富な色

  足袋。。といっても一般的な足袋のほか、祭り足袋、地下足袋、鳶足袋などあります。 

 足袋の種類や地域によっても使われるこはぜは違い、全部で3種類あります。

 金属製のこはぜが使われるようになってから今に至るまで形も変わっていません。そして

 その3種類とも生産しているのは弊社のみです。

  次の写真をご覧ください。ほんの一部ですが、創業から100年のなかで、様々なお客様 

 からのご希望に応えるべく、模様はもちろん色も研究し、他企業様のご協力を得て、こう

 したカラフルなこはぜを作れるようになりました。模様を含め1000種類くらいはあるか

 と思います。

 3)機能性


上述のとおり、弊社のこはぜは0.3mmほどの薄い真鍮板を加工しておりますが、1枚の板だけで作られているのではありません。これこそパッと見ただけではほとんどわからないと思います。

 左の写真でお分かりでしょうか?

こうして細い線(覆輪線と呼んでいます)が縁に巻かれているのです。2種類の素材を使って作られているのです。

 1枚の板だけで周りを曲げている、見た目は同じようなこはぜもありますが、その作り方のこはぜは、ほんのわずかでは

ありますが厚みが増しています。

 

  このようなホンのちょっとしたことから留め外しと履き心地に違いが生じるのです。

  

  『あおやまこはぜ』は、【留やすく、外れにくい】。覆輪線を巻くことで、微妙なたわ

 みとしなやかさが生まれるのです。(この製法は、商標権を取得しております。)真鍮素材よりさらに厚みのあるアルミこはぜではこう

 はいきません。今まで外れやすいと言われたことはなく、留めた時のフラットな状態でか

 つ足首にフィットする足袋が作られるのはこはぜの違いもあるのです。(お誂え足袋の履

 き心地の良さはまた別ものですが。。)


新しいこはぜの誕生と使われ方

  おや?穴が空いています。地下足袋用の一番大きなこはぜです。大きいといっても

 縦2cmほどです。

  ここ数年、海外からのお客様も増え、「こはぜを何に使うの?」という質問には様々な

 答えがあることを知りました。ジャンルにすればアパレル、カバン、靴、雑貨に加え、

 医療関係、スポーツ関係など。。。そうしたなかで、私自身もこんな風に使ってもらえた

 らなと願っていたことがありました。

          それは、『タグ』として!です。

  オリジナルの模様やロゴを入れるならば、留め具として以外にも、商品のタグにすれば

 オリジナリティが活かされるのでは?と思っておりました。そしてようやくその思いが通

 じたのです!

  

  しかし、ご依頼は刻印ではなく、ロゴを切り抜いてほしいとのことでした。


  これはまた新しい挑戦です。当然切り抜くとなると強度の問題から留め具としての機能

 は果たせなくなるでしょう。が、お客様は『100%タグ』として使いたいとのことでし

 たので、そのご要望に応えるしかありません。さてさてどういった順で加工していけるも

 のか?そもそもロゴをイメージ通りに切り抜くことができるのか? 予算の問題もありま

 す。そこでひとまず切り抜くこと、切り抜いた後の加工を試してみようと、穴あけパンチ

 で抜いてみました。それが先の写真です。

  今考えればなんてことはなかったのですが、ふと思いついて試してみたのが功を奏した

 わけです。

お?うまくいくかも? ーーーーここまでたどり着くのに1ヶ月以上かかってしまい

ましたが、ようやく先が見えてきました。あとはこの加工を予算内でできるかどうか。。

そして数日を経て ・・・・・・あらゆる情報を頼りに取引先様を見つけついに完成!


 お客様のデニムマッドネス様。新商品に挑戦する機会を与えてくださりありがとうございました!喜んでいただけてほっとしています。

どんな商品に、このこはぜが使われるのか楽しみにしています!!!!

#デニムマッドネス #こはぜ 


 




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